株式市況 stock market conditions 2003 12 4

 今年も、残りわずか。
長年、株式市場を見てましたが、
今年は、実に、不思議な年でした。
こういう年は、今までになかったと思います。

 日本人が、ひたすら、日本株を売り続け、
外国人が、ひたすら、日本株を買い続けた年だった。
実に不思議である。
 日本人は、
株の持ち合い解消のため、
厚生年金基金の代行返上のため、
企業の業績に関係なく、
日本株を売り続けた。
これは、「投げ売り」に近かった。
 外国人は、
成長企業の株や、
国際優良銘柄を、安値で、買い続けた。
これは、「株は安値で買って、高値で売る」という基本原則に基づいた行動だった。
外国人は、実に、シンプルな行動をした。

この結果は、どうなるのか。
 日本が景気回復をすると、
外国人は、大儲けとなる。
景気回復すれば、株価は大きく上昇するからである。
 次に、
日本の成長企業や国際優良企業には、
外国人株主が増えて、
外国人株主の発言力が強化されたという結果になった。

 結局、ここ数年における、政府の政策の果実は、そうなった。
つまり、政府の政策は、日本人株主を減らし、外国人株主を増やすことになった。
要するに、景気が回復した時の果実は、外国人が手にすることになる。

 目先の利益を求めて、長期の利益を失う。
つまり、支持率を求めて、国益を失う。
実に、愚かなことである。
こんなことなら、今の政府よりも、明治政府の方が立派である。

 しかし、今年は、庶民にとっては、不幸な年だった。
政府の役割や機能が低下にしているにもかかわらず、
それに気付かず、
政府に期待し、政府を当てにしていたが、
結局、庶民の負担増だけだったということで、
最近の改革の結果が落ち着きそうである。
 政治や経済に知識がある人たちは、
政府が言っていることに、
おかしいと気付いて、
あるいは、間違っていると気付いて、
対応策をうまく取りつつある。
 しかし、庶民は、今、起きている「時代の流れ」に気が付かないで、
相変わらず、政府に期待し、政府を当てにしている。
 これほど、
知識がある人と、庶民の間に、かい離が生じたのも、過去にはなかった。
 誰も、そのことを、庶民に警告しないのだろうか。
知識がある人と、庶民の間に、かい離が大きくなり、固定化すると、どうなるか。
階級社会ができあがるのです。































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